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実は身体を守っているのは…保湿のススメ

実は身体を守っているのは…保湿のススメ

保湿と言うと肌をきれいに保つためなど美容のイメージがありますが、保湿と言うのは、皮膚としての保護機能を保つために重要な要素なのです。

ちょっとぶつけただけなのに、皮膚がペロンとめくれるなど怪我をしてしまったと相談を受けることがあります。乾燥したままの状態が続くことも傷が付きやすくなる要因の一つです。さらに傷に細菌感染を起こすとで、傷が治りにくくなり、感染が身体に広がってしまうと重篤な状態を招く危険があります。また、かゆみや痛みのある状態が長く続くと精神的にも強いストレスを感じたり、睡眠不足になったりします。そのため、看護師は皮膚が乾燥し始めた段階から注目しケアするのです。

乾燥から皮膚を守るための保湿に注目して話します。

特に高齢者や糖尿病の方は皮膚トラブルに注意が必要です

傷や細菌感染を防ぐという皮膚が本来持っている機能を活かすためには、皮膚の潤いを保たなければいけません。
高齢者は生理的な変化により、水分を溜め込む力が減少し、乾燥しがちになります。

高齢者の皮膚は、汗や皮脂の分泌が減少することで、乾燥しがちです。
また、新陳代謝が減少し弾力性が低下したり皮膚が薄くなったりします。もろく弱くなった皮膚は傷ができやすく、治りにくいことがあります。
特に注意が必要なのは、糖尿病の方です。血糖値が高い状態が続くと、神経障害を起こしやすく、手足の感覚が鈍くなり、怪我をしても悪化するまで気が付かないことがあります。また、血液の流れが悪く、傷が治りにくくなります。さらに、免疫力の低下により、感染しやすくなると言われています。そのためには、十分に保湿することが大切です。また、保湿剤を塗りながら身体に傷がないか、見て、触って、確認することが大切です。

保湿のためにやりたい二つの事

水分の摂取:
水分不足は皮膚に現れます。乾燥した肌は水分不足のサインです。夏場だけでなく、冬場もしっかりと水分を取りましょう。

保湿剤の活用:
感染対策で頻回な手洗いやアルコールによって、油分や水分が失われている方も多いと思います。失った分は保湿剤で油分を補いましょう。

水分の摂取

皮膚の潤いを保つために、水分をとることが必要です。
高齢者の場合、1日1000〜1500ml程度の水分摂取が必要と言われており、これは食事に含まれず水分として飲んでいただきたい量です。
1日1500mlの水分をとるには(1回分コップ1杯200mlとして)
起床時、朝食時、午前中、昼食時、午後、夕食時、就寝前に1杯ずつ飲みます。
これで大体1400ml摂取することができます。
※ 腎臓病・心臓病などで水分量を制限している方は、お体に合った適切な水分量を補給しなければなりません。かかりつけ医の指示に従いましょう。

保湿剤の使用

保湿剤で、皮膚に直接水分を与えたり、水分が失われることを防ぎましょう。
保湿剤には、2つのタイプがあります。


・皮膚から水分が失われることを防ぐタイプ
  →乾燥予防したいという方に

・皮膚に潤いを与えるタイプ
  →すでに乾燥があって、かゆみなどがある方に



●皮膚から水分が失われることを防ぐタイプ

脂質成分を含むもので、皮膚の上に油膜のようにコーティングをして、水分の蒸発を防ぐ効果があります。
代表的なものがワセリンやプロペトと呼ばれているものがあります。



●皮膚に潤いを与えるタイプ

皮膚が水分を離さないよう、水分保持を助ける効果があります。
代表的なものはヒルドイドで、保湿力が高い軟膏です。
ヒルドイドは医薬品のため、医療機関を受診し医師に相談する必要があります。


ドラッグストアやコンビニでも多くの保湿剤が販売されています。
その中でも使用感や香りの好みによって選んでもらいたいと思います。
暖かい季節にはサラッとした使用感の良いローションタイプ、寒い季節には油分の多いクリームがしっとりとしていておすすめです。
保湿ケアのポイントはまめに行うことがポイントです。
乾燥していると感じた時には1日に数回使用することで保湿され、皮膚の防御機能を高めてくれます。
塗った感じが気持ちいいと続けられるので、使用感の良いものをオススメします。



★改めて保湿剤を塗る時のポイントを説明します。

・使用感の良いものを選んで、乾燥していると感じたら1日に数回使用する。
・皮膚が汚れていると効果が減少します。お風呂上がりには特にたっぷりと使ってください。
・べたつきなど使用感については、人それぞれ感じ方が違います。軟膏やクリーム、ローションなど形態が異なる製品があるので自分にあったものを選択しましょう。


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